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給与明細をメールで送る電子化対応方法とメリット・デメリット

えっ、給与明細、まだ紙で印刷しているんですか?

リモートワークも増えてきて、一人一台パソコンやスマホなどの情報端末を持つのが当たり前となった今、給与明細を紙で渡すメリットが無くなってきました。実は給与明細は法律により電子化してメールなどで送ることが許されており、最近は多くの会社がメールで給与明細を送るようになってきています。

給与明細をメールで送る方法もいろいろな方法があり、PDFを一つずつ添付して送る方法もあれば自動的に全社員に振込日に送られるようにすることもできます。

そんな、給与明細の電子化(メール化)について詳しく解説していきます。

給与明細電子化とは

紙以外の、パソコンやスマホで給与明細を表示させる方法のことを「給与明細電子化」といいます。国税庁では以下の3つの方法があるとしています。

  1. 電子メールを利用する方法
  2. 社内LAN・WANやインターネット等を利用して閲覧に供する方法
  3. フロッピーディスク、MO、CD-ROM等の磁気媒体等に記録して交付する方法

この中で、3つ目のCDなどに給与明細を記録して交付する会社はほとんどないと思いますし、紙に比べて余計に大変になるだけだと思うので割愛します・

やはり多くの企業で電子化といったら一番使われる手法が電子メールを利用する方法でしょう。アルバイトを含む全ての従業員にメールアドレスを発行していない会社であっても、個人のアドレスを持っていない従業員はいないでしょう。

2の、社内システムや外部システムにログインして給与明細を閲覧させるという手法もあるでしょう。給与明細を保存せずに捨ててしまっている従業員も少なくないと思います。後から確認したくなるときなどは人事部に依頼して再発行することになるのですが、これは従業員も人事部にもストレスが掛かりますよね。しかし、ログインして閲覧できるようになっていればいつでも過去の給与明細を確認することができて便利です。

従業員の同意や、その他の注意事項を守らないと違法

給与明細の電子化にはいくつかの守らなければいけない注意点があります。

従業員の同意を得ることが必要

法律では給与明細を電子化するためには、事前に従業員からの承諾を得ることが必要とされています。必要な要件としては「電子交付する書類の名称」「交付の具体的な方法」等が挙げられています。従業員が同意をした記録を残すためには、

  • システムのログイン画面に同意を求める文章を書き、同意した場合のみ閲覧可能とする方法。この場合、同意しなかった場合は別途連絡して紙で渡すことになります。
  • 書面で記録を残す方法。雇用契約書や個人情報に関する同意書などと同様に入社時に承諾を得る形が最もスムーズでかんたんなのではないでしょうか。途中から電子化した場合は、別途各従業員から同意を得る必要があります。

なお、この同意は一度同意を受ければ、その後同意を撤回されることがない限り新たに同意を得る必要がありません。

表示と印刷がどちらも可能であること

表示だけではなく、印刷できるようになっている必要があります。

社内システム内で表示する場合に印刷できなくなっている、などであればNGです。

発行したことを通知すること

給与明細などの書面を発行したことを各従業員に通知する必要があります。社内システムや従業員のフォルダに格納しただけでは、従業員が気づけないですよね。ですので、発行後は何らかの方法で従業員に通知する必要があります。なお、方法については規定されていないため、各従業員に対してメールを送信することや、朝礼などの場において口頭で通知するなどどのような方法でも構いません。

給与明細を電子化するメリット・優位性

給与明細電子化は人事担当者員にとっても、従業員にとっても、下記のようなメリットがあります。

  • 印刷、封入をするという手間がなくなる
  • 渡し間違えなどのミスが減る
  • リモートワークも(テレワーク)社員にもかんたんに届けることができる
  • システムを導入していれば自動で一括送信できる
  • ペーパーレスに寄与する
  • 保管しておくのが楽
  • 後からの再発行が簡単

給与明細を電子化するデメリット・問題点

逆にデメリットとしてはこのようなものがあるでしょう

  • 従業員の同意を得る必要がある
  • 従業員のメールアドレスを収集する必要がある
  • データの取扱方法を間違えると個人情報が流出する(ただし、紙の場合も紙を紛失するなど、同じリスクがあります。)
  • 印刷したい場合は各従業員が印刷しなければならない

給与明細のメールの文面や添付ファイル、パスワードについて

給与明細をメールで送る場合の文面については特に規定がありませんが、「給与明細であること」「対象月」「問い合わせ先」について記載しておくのが親切と言えるでしょう。

例えば、下記のような文面で良いでしょう。

○○様

お疲れさまです。
人事部の○○です。

○○○○年○月分給与明細をお送りいたします。

不明なことなどあれば、人事部までご連絡ください。

以上、よろしくお願いいたします。

--

○○株式会社 人事部

jinji@メールアドレス

00-0000-0000(内線○○番)

添付ファイルの取り扱いは暗号化やご送信防止などの社内の規定に沿って対応するようにしましょう。間違った人に送信してしまうというミスのないように注意してくださいね。給与計算システムから自動的に送ってしまえばそのようなミスは起こらなくなるのでおすすめです。

電子メールでの給与明細を発行する方法まとめ

電子メールで給与明細を発行する方法や注意点、そのメリットとデメリットについてお伝えしました。個人的にはメリットが大きく、給与明細の電子化には賛成です。

PDFファイルをメールで添付するという方法で取り急ぎの電子化は可能ですが、給与計算ソフトを導入して給料の「計算」と「明細交付」の両方を一気に簡略化するのも良いのではないでしょうか。

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