建築士が独立するには?目指せる年収や開業に必要な準備を公開!
建築士としてのキャリアを進めている方にとって、独立は一つの大きな目標でしょう。しかし、独立には多くの準備とステップが必要です。この記事では、主に下記について解説します。
- 建築士が独立するための具体的なステップ
- 必要なスキルや資格
- 独立した際に目指せる年収
独立を考える建築士の方々にとって、この記事が有益な情報源となることを目指しています。ぜひ、参考にしてください。
それでは、建築士が独立するための詳細なステップから見ていきましょう。
建築士が独立するための6ステップ
建築士が独立するためには、以下の6つのステップを踏むことが重要です。
- 建築士試験に合格する
- 5~7年の実務経験を積む
- 建築士事務所として登録する
- 管理建築士講習を修了する
- 税務署に開業届を出す
- 仕事を受注する
それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。
建築士試験に合格する
建築士として独立するためには、建築士試験に合格する必要があります。この試験は、一級、二級、木造の三つのレベルにわかれていますが、独立を目指す場合は一級建築士の資格を取得することが望ましいです。一級建築士の資格を持つことで、大規模なプロジェクトにも対応できるようになります。
試験は難易度が高く、しっかりとした勉強が必要です。独学だけでなく、予備校や通信講座を利用することも検討すると良いでしょう。
5~7年の実務経験を積む
試験に合格した後は、実務経験を積むことが重要です。約5~7年の実務経験を積むことで、独立しても活躍できるような人材になれます。この期間中に、設計や施工管理のスキルを磨くことが重要です。また、実務経験を通じて人脈を広げることも、将来の独立に向けて重要なポイントとなります。
まずはスキルを磨くことを目指し、多種多様なプロジェクトに関わることで、幅広い知識と経験を得られるようにしましょう。
建築士事務所として登録する
十分な実務経験を積んだら、建築士事務所として登録する必要があります。この手続きは各都道府県の建築士会で行います。登録には、事務所の所在地や業務内容などを詳細に記載した書類が必要です。
事務所の登録が完了すると、正式に独立した建築士として活動できるようになります。
管理建築士講習を修了する
建築士事務所として登録する際には、管理建築士講習を修了することが必要です。この講習では、建築士としての責任や法令遵守、業務管理について学びます。講習の内容は非常に実践的であり、独立後の業務に直結するものが多いです。
講習を修了することで、よりプロフェッショナルな建築士として活動する準備が整います。
税務署に開業届を出す
建築士事務所の登録が完了したら、税務署に開業届を提出する必要があります。開業届は、事業を開始するための正式な手続きです。これを行うことで、税務上の正式な事業者として認められます。
開業届の提出には、事務所の所在地や業務内容、予定する収入などの情報を記載した書類が必要です。開業届を提出することで、各種税務手続きがスムーズに行えるようになります。
仕事を受注する
独立後は、実際に仕事を受注することが重要です。仕事を受注するためには、これまでに築いてきた人脈や取引先を活用することが大切です。また、自分のスキルや経験をアピールするためのポートフォリオを作成し、クライアントに対して自信を持って提案することが成果につながります。
最初は小規模なプロジェクトから始めることが多いですが、徐々に実績を積み重ねることで、大規模なプロジェクトにも挑戦できるようになります。
建築士の独立に有利な資格とスキル
独立を成功させるためには、技術力を証明するための資格や、建築士以外のスキルが必要になります。下記の4つが主な資格やスキルです。
- 一級建築士資格
- 一級建築施工管理技士
- 営業スキル
- 経営スキル
以下に、独立に有利な資格とスキルを紹介します。
一級建築士資格
一級建築士資格は、建築士としての最高位の資格です。この資格を持つことで、大規模な建築プロジェクトに携われます。一級建築士資格を持つことで、クライアントからの信頼も得やすくなるでしょう。
また、一級建築士資格を持つことで、施工管理や品質管理の業務にも対応できるようになります。より幅広い業務を引き受けられるため、年収のアップには欠かせない資格です。
一級建築施工管理技士
一級建築施工管理技士は、建築現場での施工管理を専門とする資格です。
この資格を持つことで、現場の管理や安全管理、工程管理などの業務に対応できます。現場での信頼性が高まり、クライアントからの評価も高まるでしょう。
建築士としてのスキルを補完する形で、この資格を取得することをおすすめします。
営業スキル
独立後は、自分で仕事を受注するために営業スキルが必要です。クライアントとのコミュニケーションを円滑に行い、自分のスキルや経験をアピールする能力が求められます。また、営業活動を通じて新しいクライアントを開拓することも重要です。
営業スキルを向上させるためには、セミナーや研修に参加することや、実際の営業活動を通じて経験を積むことが効果的です。
経営スキル
独立後は、自分で事務所を経営するための経営スキルが必要です。
予算管理や収支計画、マーケティング戦略など、経営に関する知識とスキルを身につけることが求められます。また、スタッフの採用や育成、業務の効率化など、経営全般に関わるスキルも重要です。
経営スキルを向上させるためには、ビジネススクールに通うことや、経営に関する書籍を読むことが有効です。
建築士が独立する際のメリットとデメリット
建築士が独立する際には、さまざまなメリットとデメリットがあります。ここでは、その具体的な内容について見ていきましょう。
自由な働き方をしやすい
独立することで、自分のペースで仕事を進められます。仕事の時間や場所を自分で決められるため、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。また、自分の興味や得意分野に特化した仕事を選ぶこともできます。
これにより、仕事に対するモチベーションが向上し、より充実したキャリアを築くことにつながるでしょう。
収入が増える可能性がある
独立することで、収入が増える可能性があります。自分で仕事を受注し、プロジェクトを管理することで、収入の全額を自分のものにできます。また、複数のプロジェクトを同時に進めることで、収入を増やすことが可能です。
しかし、収入の増加にはリスクも伴います。経営の状況によっては、収入が不安定になることもあります。
目先の収入増加を目指すだけでなく、長期間に渡って安定的な収入を確保できることを目指すと良いでしょう。
経営面での負担がある
独立後は、自分で事務所を経営する責任が生じます。
経営に関する知識やスキルが不足している場合、経営面での負担が大きくなることがあります。また、スタッフの採用や育成、経理や税務など、多岐にわたる業務を管理しなければいけません。
建築士としての本業に集中したい中で、経験の少ない経営やビジネスの管理をすることは大きな負担になる可能性があります。
収入が不安定になる可能性がある
独立後は、収入が不安定になる可能性があります。
特に、最初の数年間はクライアントやプロジェクトの確保が難しく、収入が安定しないことが多いです。また、経済状況や市場の変動によっても収入が影響を受けることがあります。
そのため、独立前に十分な資金を準備し、リスクに備えておくことが重要です。
建築士が独立した場合の年収は?
独立した建築士の年収は、多くの要因によって変動します。ここでは、一般的な年収の目安と、収入を増やすためのポイントについて見ていきます。
年収1000万以上も目指せる
独立した建築士は、年収1000万円以上を目指せます。特に、大規模なプロジェクトを手掛ける場合や、複数のクライアントを持つ場合には、高い収入を得ることが可能です。
しかし、高い年収を得るためには、年収に見合ったスキルと豊富な経験が必要です。独立を急いだとしても、高度な業務を遂行するだけの能力がなければ高収入は期待できないでしょう。
年収1000万はあくまで目安ですので、まずは自分自身のスキルや経験を向上させることに集中するべきです。
経験やスキルにより年収は変動する
建築士の年収は、経験やスキルによって大きく変動します。経験が豊富で、専門的なスキルを持つ建築士は、高い収入を得られるでしょう。技術力によっては、1000万、2000万と、サラリーマンを超えるような年収も期待できます。
一方で、経験が浅くスキルが不足している場合は、収入が低くなることがあります。
また、経営スキルや営業スキルも収入に直結する能力です。これらのスキルを向上させることで、より高い収入を目指せます。
建築士が独立前にしておくべきこと
独立前に次のような準備をしておくことで、スムーズなスタートを切りやすいです。
- 事前に人脈と取引先を広げておく
- 必要な資格を取る
- 確定申告など税務の勉強をする
以下に、独立前にしておくべき重要なポイントを紹介します。
事前に人脈と取引先を広げておく
独立後の仕事をスムーズに進めるためには、事前に人脈と取引先を広げておくことが重要です。業界のイベントやセミナーに参加し、他の建築士や業界関係者との交流を深めることで、人脈を広げられます。
また、取引先との関係を構築し、信頼関係を築くことも大切です。これにより、独立後にスムーズに仕事を受注できるため、効率的な事業成長につながります。
必要な資格を取る
独立前に必要な資格を取得しておくことも重要です。一級建築士資格や一級建築施工管理技士の資格など、業務に必要な資格を取得することで、より多くの仕事に対応できるようになります。
また、経営や営業に関する資格も取得しておくと、独立後の経営に役立ちます。
独立して1年、2年は慣れないことが多く忙しい時期が続くため、資格は事前に取得しておきましょう。
確定申告など税務の勉強をする
独立後は、確定申告や税務手続きを自分で行う必要があります。独立後の税務手続きをスムーズに進めるために、事前に確定申告や税務に関する知識を身につけておくことが重要です。
税務など、経営に関する知識が全くなければ、限られた時間を本来の業務以外に費やすことになります。
税金や経理などの知識は必ず必要になりますので、余裕をもって勉強を進めておくと良いでしょう。
まとめ
建築士が独立するためには、多くの準備とステップが必要です。建築士試験の合格から実務経験の積み重ね、事務所の登録や管理建築士講習の修了など、一つ一つのステップを着実に踏んでいくことが重要です。
独立後の成功には、営業・経営スキル・人脈の広げ方など、さまざまなスキルと経験が関わってきます。独立前に十分な準備をし、リスクに備えることで、より成功に近づけます。
この記事が、独立を考える建築士の方々の参考になれば幸いです。成功を目指して、頑張ってください。