保険料控除申告書ってどう書くの?初めてでもわかる書き方
年末調整の際に、扶養控除申告書と同時に提出するのが保険料控除申告書です。
控除と言う言葉が付くだけで難しく感じますが、簡単に言ってしまえば保険に加入している人は税金が少なくなる申告書なのです。
より多くの税金を払いたいと考える人は確実に少数派でしょう。
だからこそ、保険料控除申告書について正しい理解と提出が必要になって来るのです。
経営者や事務処理を担当する人であれば、この意味を理解しているので問題は無いでしょう。
しかし、従業員の中にはこうした知識に無頓着な人が存在しています。
そのような人と出会った時は優しく、支払う税金が少なくなるので保険料控除申告書を書きましょうと諭してみてください。
保険料控除申告書の内容について
まず、保険料控除申告書の内容ですが、大きく分けて4つに分類されます。
生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除の4つとなります。
最初の3つはすぐに理解出来るでしょう。小規模企業共済等掛金控除も、理解すればまったく難しいことはありません。
この保険料控除申告書の難点は、保険料をいくら支払ったかを従業員個人で算出して記入する点にあります。
経営者や事務担当が計算して記入できるなら楽なのですが、従業員それぞれが計算するとなると提出が遅れがちになります。
ギリギリに提出されると時間に追われる作業となってしまいます。
従業員に分かりやすく内容を説明して、提出がスムーズになるように準備しておくのも大切です。
生命保険料控除の書き方
生命保険に加入している全員が対象となります。
保険料を支払っているなら、所得税を減税出来るので正しく記入するようにしましょう。
生命保険には、一般的な物と介護医療、そして個人年金の3つがあります。
保険料控除申告書には、それぞれ専用の項目欄が準備されているので、該当する場所に書き込む必要があります。
もし生命保険の分類が分からない場合は、生命保険会社から送られてくる保険料控除証明書を見ると良いです。
保険料控除証明書には、一般的な生命保険なのか、介護医療保険なのか、個人年金保険なのかが記載されています。
ちなみに、介護医療保険は平成24年から適応された比較的新しいものです。
認知度が低いので周知徹底しておくと従業員からは喜ばれるでしょう。
具体的な書き方ですが、まずは保険会社の名称を記載します。
次に保険の種類を記載することになります。養老、就寝、学資保険等があり、これも保険料控除証明書に書いてあるので、間違えないように記入しましょう。
それから契約している人の氏名などを記載します。
この時、扶養家族の分も記入するので、配偶者が保険に加入しているなら料金を把握しておきましょう。
新旧の区分は、平成24年1月1日以降に契約したか、それ以前に契約したかで判断します。
旧だと保険料の控除が5万なのですが、新だと4万になるのです。
介護医療保険が出て来たのは平成24年からなので、無条件で新となります。
金額については、保険料控除証明書の参考額を記載するようにしてください。
生命保険には証明額と参考額が記載されているのですが、ここで必要になるのは参考額です。
参考額は申告額とも記載されているので、間違えないようにしましょう。
後は、保険料控除申告書に書いてある通りに計算すれば控除金額が割り出される仕組みです。
重要になるのは保険料控除証明書を持っているかどうかです。送られて来ないことは無いので、失くさないように告知するのも良いでしょう。
地震保険と社会保険料控除について
地震保険は最大で5万円の控除を受けられます。
こちらも基本的には生命保険と同様の手順となります。
まずは保険会社の名前を記載し、保険の種類を記入します。地震保険の種類だと、地震や積立損害などがあります。
後は支払っている保険料の金額を記入して、書いてある通りに計算して行くと控除金額が割り出されます。
社会保険については、国民年金、国民健康保険、国民年金募金の掛金、年金から控除される介護保険料が該当します。
これは本人だけでなく扶養家族の物も含まれるので、誰が何に加入しているか正確に把握しなければなりません。
特に国民年金の保険料は重要です。
1年間で約18万になるのですが、それがすべて所得税の控除に繋がるのです。
18万の控除が行われるのは、非常に大きな節税効果が得られるでしょう。
もし国民年金を支払う対象が2名なら36万も節税出来てしまいます。
保険会社の名前、分類、支払っている金額が分かって居れば、保険料控除申告書に書いてある計算方法に従えば大丈夫です。
簡単なのでしっかりと所得税控除を行いましょう。
小規模企業共済等掛金控除とは
あまり該当する人は居ないのですが、控除できる金額は大きいので確認するようにしましょう。
小規模企業共済等掛金控除には、3つの分類があります。
まずは、独立行政法人中小企業基盤整備機構の共済契約の掛金です。
20人以下の会社や個人事業主が利用できる共済制度で、廃業した場合に生活資金代わりの退職金を受け取れるものです。
この共済制度を利用しているなら、掛金を記入しましょう。
次に個人型又は企業型年金加入者掛金があります。
国内に在住している20歳以上60歳未満の自営業者が対象になっています。
加入しているようなら掛金を記載しましょう。
最後に心身障害者扶養共済制度に関する契約の掛金です。
心身に障害がある人を支援する共済制度で、主に地方公共団体が運用しています。
他と同様に掛金を記載することになります。
控除される金額すべて戻って来る訳では無い
勘違いしてはいけないのが、控除とは支払う税金を少なくするものです。
生命保険の控除が5万あるからと言って、5万円が支給される訳ではありません。
支払う金額が少なくなるだけなので、所得税の支払いが不足している人は追加で納税する必要があります。
年末調整の際に慌てないように、保険に加入している人に保険会社から送られて来る証明書を失くさないように連絡しておくと良いです。
書き方は保険料控除申告書に従って行けば良いのですが、記入する内容が分からなければ話になりません。
すべては保険会社から送られて来る証明書に書いてあるので、その点を覚えておくことがカギになります。