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給与の年末調整と確定申告

2015年版、扶養控除申告書の変更点と書き方の注意点

扶養家族が居て、一般企業に勤めていた人は扶養控除申告書を提出した覚えがあるはずです。
年末調整の際に提出することで所得税の控除が受けられるので、忘れずに処理しなければいけません。
ここで大切なのが、2016年からマイナンバーの導入が行われるのに伴い、2015年の時点で提出書類が変わっていることです。
まだマイナンバー制度は施行されていないから関係ないと思うのは間違いです。

一度手続きをした人なら分かると思いますが、年末調整の時の扶養控除申告書は2通必要です。
2015年で例えると、2015年分の扶養控除申告書と、2016年の分の扶養控除申告書を用意するのです。

鍵となるのは2016年の扶養控除申告書です。

2016年の扶養控除申告書からはマイナンバーの記載が求められるのです。
この変更点に注意して、扶養控除申告書を書いて行くようにしましょう。

2015年の扶養控除申告書について

去年に企業内で年末調整を行った人は、2015年の分の扶養控除申告書は作成済みとなっています。
もし、扶養家族が居なくなっているなど変更がある場合は修正を行いましょう。
修正は赤ペンでしっかりと記載してください。理由も、異動月日及び事由の欄に書いておくのを忘れないように。

特に変更が無いなら、問題ないと報告して再度提出すれば終わりになります。
この時の情報は、2015年12月31日時点までの情報を元に書くのがポイントです。
万が一、2015年の扶養控除申告書を書いていない場合は、一から作成しなければなりません。
2015年版にはマイナンバーの項目は無いので気にしないで大丈夫です。

扶養控除申告書には、控除対象配偶者の記入欄と、控除対象扶養親族の欄があります。
夫、または妻が居るなら配偶者の欄へ記載しましょう。子供が居るなら親族の欄となります。
他にも障害者や寡婦、勤労学生の欄もあるので、該当する人が居るなら記入してください。

ちなみに扶養控除申告書は毎年ごとに専用の書類になっています。
必ず、2015年版、平成27年の用紙で作成しましょう。

2016年版の扶養控除申告書の変更点

2015年の年末調整で、来年の分の扶養控除申告書も作成しなければなりません。
厳密に言えば、2016年の最初の給料が支払われる前に書けば良いのですが、ほとんどの企業が前年度にまとめて集めるのが通例になっています。

2016年の扶養控除申告書の変更点の肝は、マイナンバーの記入欄が増えた点でしょう。
マイナンバーと呼んでいますが、正式名称は個人番号です。

指名の下に12ケタの個人番号を記入するスペースがあるので見てみてください。
また、控除対象配偶者や控除対象扶養親族の欄にもマイナンバーの欄が加わっています。
この点が本人だけでなく扶養家族のマイナンバーも必要になる理由です。

2016年版の扶養控除申告書の注意点

さて、ここからは重要な注意点に関することです。
まず、2016年の扶養控除申告書には、マイナンバーの記載が必須ではありません。
厳密な記述は省きますが、簡単にまとめると条件付きで記載が無いのを認めると発表されたのです。

その条件付きの内容とは、企業と従業員の合意に基づいて扶養控除申告書の余白に、
「個人番号については給与支払者に提出済みの個人番号と相違ない」と記載すれば良いのです。
これは企業を経営する側に非常にメリットが大きい緩和策となっています。

マイナンバーが記載されている資料は特定個人情報として厳重な管理が必須となります。

管理が不十分であれば国から指導を受けることになりかねません。
マイナンバーを安全に管理する体制が整わないことを考慮して、このような条件付きの緩和策が認められたのです。
これを知らずにマイナンバーを記載されてしまうと困ったことになるので、安全管理が十分に整っていないなら従業員へ記載しないように徹底するようにしましょう。

ただし、ここでも注意が必要となります。
扶養控除申告書にマイナンバーを記載しないなら、後から対応が出来るように準備しなければなりません。
税務調査で扶養控除申告書の提出が求められたら、従業員のマイナンバーを記載して提出しないといけないのです。

マイナンバーの取り扱いが重要

企業としてマイナンバーをどのように扱うかが重要となります。
2015年の扶養控除申告書はそのままで問題ありませんが、2016年の申告書にマイナンバーを記載するかどうかです。

記載するのであれば特定個人情報として厳重な安全管理が必要となります。
管理の準備が整っているならマイナンバーを収集してしまうのも良いでしょう。

一番良くないのは、マイナンバーの扱いを不明瞭なままにしておくことです。
従業員にマイナンバーの記載の有無を徹底しないと、不要なリスクを背負いかねません。
記載しない対応をするならそれを周知徹底し、分からない人へサポートする準備を整えておきましょう。
事前に記入方法の手引きを作成したり、全体集会等で話すのが良いです。

新しい制度が始まるので分からないこと、疑問等が噴出して慌ただしくなるのは目に見えています。
今から対応を考えて備えておかなければ、年末にマイナンバーの対応に追われてしまいます。
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