給与計算ラボ

給与の年末調整と確定申告

どのソフトがいいの?年末調整ソフトを徹底比較します

年末調整ソフトがない時代は、手が気の帳簿や従業員の情報を記載した台帳と首っ引きで、源泉徴収票を作成して、一人一人の年末調整におおわらわでした。しかし現在年末調整はソフトの使用で時間も費用も大幅に節減して手続きまでスムーズに済ますことが可能になりました。

事業者の利便性を目指して年末調整ソフトは多種多様ありますが、事業者にとってどんな年末調整ソフトが最適でしょうか。比較してみましょう。

ちなみに、年末調整時期の来る前に完璧に準備するには、今の時期がとても大事です。あと1年近くもあるのに今から?と思うかもしれませんが、年末調整は、その名の通り年末にその年の税金について過不足分を調整する手続きです。その調整に関する計算をスムーズにするには1月の給与からソフトに反映されていなくてはなりません。

まだ準備のしていない事業主の方は、この時期ならまだ1.2月分の給与を入力するだけで残りの10か月は毎月の給与計算とともに年末調整の準備ができます。そうです、年末調整の準備は、今すぐ始めてください。年末調整に向けて給与計算ソフトやサービスの利用を始めたら、それと連携した年末調整ソフトを選択すれば作業はスムーズです。ソフトには次のようなものがあります。

1、エクセルを使用した年末調整ソフトの実力は?

エクセル(表計算ソフト)を利用して、年末調整書類の作成をするソフトです。エクセルですから、年間の所得などは手入力です。従業員が自ら控除額などの入力をできるようになっていれば、会社の入力の手間は省略することができます。そして控除などの差し引き計算も表計算ソフトがしてくれますので、計算違いということは免れます。

源泉徴収票の作成までをオンライン一括作成するのがお勧めですが、そこまでしていても最後がエクセル入力では片手落ちともいえるでしょう。手入力する所得の額や、項目、控除額などに誤りがあってはせっかくの表計算に寄る自動計算も台無しです。

そこで、会社では従業員にせっかく入力をまかせても、会社がその間違いの有無をチェックするという手間は残ってしまいます。エクセル使用の年末調整ソフトは安価ではありますが、会社の負担する作業時間も経費=お金であることを忘れてはいけません。安価なぶん、チェックにかかる人件費を考慮すればトータルで安価とは言えません。

また、チェックするのも人間です。最後まで誤りの可能性は残りますからあくまで人間の関わる範囲を少なくするソフトの方がおすすめです。ただし、従業員がごく少数で給与計算もまだ手計算かエクセル、すでに年末調整の時季になってしまった、という場合には利用価値はあると思います。数千円以内での購入が可能です。ただ、このタイプは給与計算ソフトと連携がありませんのでそちらは別途計算したものを、また手入力で写す必要があります。

2、老舗の会計ソフト「弥生」の利用で完璧か?

昔からある会計ソフトメーカーでも年末調整のソフトがあります。年末調整の扶養者情報や支払保険料等の申告データを入力するだけで、控除額や過不足税額を自動的に計算します。 はじめて年末調整業務を行う方でもかんたんに作業ができるのが魅力です。そして、年に一度とはいえ毎年決まった作業の繰り返しですから、老舗会計ソフトはその作業のフローを提示してくれます。フローに沿って作業をしていけば漏れたりヌケたりすることなくスムーズに作業が進捗します。

もちろん個々の従業員が記入すべき部分は従業員に入力を任せることができます。その際従業員が間違えることのないように、注意事項などの付箋を貼付して注意喚起する機能が秀逸です。また、入力画面はエクセル使用と比較して、申告書そのものと同じ画面です。

入力必要箇所はもちろんカラーで明示され、所得、控除、税額、と一目瞭然のわかりやすさで利便性を追求しています。税務署や各自治体に提出する、給与支払報告書・源泉徴収票や総括表の印刷ができること、従業員の扶養者情報は源泉徴収票の「摘要」欄に自動的に反映され、追加入力がかんたんなこと、と至れりつくせりの内容です。

こういうソフトを利用するならば、もちろん同種の給与計算ソフトと同時利用、つまりセット商品となります。疑問が生じた際の電話サポートなどもつくため、1で紹介したエクセル利用のソフトのような安価ではありませんが10万円未満で導入が可能です。

3、達人は知り尽くしているのに安い

NTTデータの達人というソフトがあります。このシステム設計は年末調整その他の業務を知り尽くしており、源泉徴収簿・扶養控除等申告書・保険料控除申告書は帳票イメージそのままで入力が可能な点が大きい魅力です。ドットプリンタ対応でもちろんカラーにも対応しています。ということは複写用紙に印刷ができるということです。

「給与所得の源泉徴収票」などは、カラープリンタでの印刷はもちろん、ドットプリンタにも対応しているので複写用紙への印刷も可能です。さらに、給与データの月別入力や報酬等データの伝票形式入力など実務に即した作業ができます。「前期比較表(一人別徴収簿・年末調整欄)」でミスのない年末調整処理をしたら、最後は業務エラーチェック機能で検算作業を円滑にすすめることができます。多忙な申告時期には大きな助けとなります。

さて、同様に便利だった「弥生」と比較して、この達人の最大の魅力は「弥生」なら必ずセットの給与計算ソフトを省くことができる、という点です。なぜなら、無料かかなり安価な連動給与ソフトから社員データや給与・賞与データを取り込めるほか、CSV形式による各種データの取り込みも可能だからです。給与計算ソフトをつけていないのでお値段は「弥生」の半額程度で導入可能です。でも給与計算も欲しい、というのは当然です。

それならば0円から導入できる、コストパフォーマンスが自慢のpaybookで給与計算をしておけば、「達人」にインポート可能なCSVデータをダウンロード可能です。これで「弥生」の半額分の経費が浮きましたね。

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