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給与支払日を正社員とパート、アルバイトで分けるメリット・デメリット

御社では正社員とパート・アルバイを雇用しているかもしれません。正社員とは違う給与形態の従業員がいる場合に、給与支払日を正社員とパート、アルバイトで分けることを考えたことはありますか?

給与支払い日を分けて得るメリットが御社にとって多ければ、またいま現在分けていてデメリットを感じているようでしたら、支払日の再検討をしてみるとよいでしょう。以下にそれぞれのメリット・デメリットを揚げますのでご参考にどうぞ。

1、給与支払日を正社員とパート、アルバイトで分けるメリット

そもそも給与支払い日を従業員ごとに分けても、何の問題もありません。そのような雇用契約を個別に結んでおけばよいことです。正社員とパート、アルバイトに分けても、事務系と現場系で分けてもきちんと入社時に提示して契約を結べばよいのです。

ところで、はじめにきちんと説明をすること、場合によっては分ける理由を説明することはとても大切です。説明しておいても忘れられてしまうこともありますが、のちのち会社に慣れてきたころ「なぜ正社員と給与日が違うのか」ということを何らかの差別として誤解されるのは避けた方が良いですよね。

給与形態が違っているとうことは給与計算方法が違うということです。給与計算から支給までの担当者が多忙で、従業員が多い場合、いちどに多様な給与計算をして支給までの作業をすると事務的な負担が多い、ということがあります。

その場合に2回に分けて、担当者の事務作業量を平均化するために給与支給日を分けるメリットはあります。

また、会社が取引先から支払いを受ける日が決まっていると思います。その入金日が取引先ごとに月に2度あるような場合に、会社の保有する現金量を極端化させないよう、給与の支給日も2度に分けるというのは工夫のひとつです。

一方支給日を分けることのデメリットもあります。支給日を分ければ給与計算から支給までの事務作業を月に2度せざるを得ません。たとえば、給与計算ソフトなどの活用で給与計算から支給までをスムーズにできる会社では、わざわざ2度同じ作業をすることのほうが負担になるかもしれません。

とくに、給与計算関連を月のうち一定時期に済ませて、その他の日は他の業務に時間をとられる、というような会社では給与計算から支給まで一定時期に集中して行わなければデメリットとなるでしょう。

ところで、給与支給そのものは振込明細を銀行に提出しておけば銀行がしてくれますのでそれほど負担はありません。事務担当者の負担は支給日そのものより給与計算と支給準備までです。これを利用して、銀行への手間は一括にすませるため支給日だけは合わせて、締日と給与計算時期のみを2つに分けるという方法もあります。

ただし、これをすると先に締日が到来したほうの従業員は後で締日のくる従業員まで支給日までの日数が長くなります。これが従業員間の不公平感につながらないよう、工夫は必要です。そして、こういう場合に注意すべきは、計算から支給までミスをしないということです。給与計算や締日、支給日を分けると作業が複雑化することがあります。誰がどの締日に入っていつ支給するのか、ミスの発生しないしくみ、そのような計算ソフトを備えておくことをおすすめします。

2、給与支払日が正社員とパート、アルバイトと同じメリット

給与支払い日を分けないで同じ日に設定するメリットは何といっても、給与計算から支給に関する事務作業が一回で済む、ということです。社内のIT化が進んでいたり、給与形態の種類が比較的少なかったり、従業員があまり多くない場合、また給与計算ソフトでどうせ一括処理できるような場合には、締日から支給日まで一回で済ませるメリットは大ですね。

また、もちろん前項で書いた通り、従業員ごとに締日をわけて計算作業まで分けておき、支給日を同一にすることも御社の業務形態や取引先との金銭やりとりに合わせて自由に設定するとよいのは前説の通りです。

一方、同日支給のデメリットはあるでしょうか。これは、とくに創設間もない会社では大いにあります。というのは、同日に全員分を支給するということはその日に会社のお金がいっぺんに減る、ということです。

給与支払いのほかに会社は仕入先などの取引先への支払い、家賃・水道光熱費の支払い、場合によっては協会や団体など業種独特の支払い、接待、大型出張での経費など多くのお金を必要とします。毎月どの程度のお金が出て行くのか、そして売り上げのお金は何日と何日に入ってくるのか、お金の流れをよく見極めて、給与の同日一括支給が御社のデメリットにならないのか、熟考するとよいでしょう。

もちろん、御社がすでに軌道にのり、多少の大型出費ではビクともしないという場合には、専ら事務作業負担の軽減かのために給与支給を同日に設定するほうが、逆に事務の煩雑化というデメリットを避けることになります。

ところで、給与支給日を正社員とパート・アルバイトとで分けても分けていなくても、それは一旦決めたら固定するということではない、と覚えておくとよいでしょう。会社は成長とともにお金の流れ、従業員の給与、給与形態の多様化などの変化が生じます。

事務作業のIT化も進むでしょう。どこで支給日分別の設定を変更するのか、も大切な視点です。反対に、好景気と不景気は繰り返されます。成長期と反対に減退期を経験しないとも限りません。現金の流れが変わってきたら支給日の設定の変更も上手に使い経営危機を避けていきたいものです。

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