給与計算ラボ

給与計算、社会保険と税金の知識

法定で定められた休憩のとりかたとは

休憩は労働者の権利でもあります。

業務時間内に休憩を取るのは、労働者の権利です。
法律で定められた休憩にはどのような種類があるでしょうか。

たとえば6時間以上8時間までは45分、8時間を超える場合は60分の休憩を最低限度として定めています。最長限度はありません。
残業の場合は3時間延長で労働時間が10時間となり、15分の休憩が必要となります。

休憩は、労働基準法によると労働時間の途中に与える必要があうものですので、始業開始直後や終業直前に休憩するのは違法です。

ちなみに分割しても構いませんので、10分40分10分の分割休憩でも問題ありません。

6時間以内は休憩を与えなくて良い?

労働時間が6時間以内のたとえばアルバイトやパートの場合は、休憩を与えなくてもよいことになっています。あくまで6時間以上の場合にのみ、適用されます。

一斉付与の原則とは

休息の効果をあげるために、休憩は一斉に与える必要があります。
それは法律で規定されているのですが、例外があります。

運送、販売、理容、金融、保険、広告、映画、演劇、興行、郵便、電気通信、保健衛生、旅館、飲食、娯楽場、官公庁などです。
たとえば一斉に休憩をとることで業務の円滑な運営に支障がある場合は、一斉に与えなくともよいと規定されています。
またみなし労働制やフレックスタイム制の場合は事実上一斉休憩は困難ですので、この場合も除外されます。

休憩時間は自由に利用してよい

休憩時間は労働者の権利です。労働から離れることを保障したものですので、休憩時間は自由に過ごしてよいのです。
ですが、一定の拘束は認められています。事業の内容を保持するために、外出を制限するなどの拘束は許容範囲で違法とはなりません。

たとえば警察官や消防士、児童の自立支援施設の職員で児童とともに寝起きする人などは、自由利用の例外となります。

休憩を与えない場合は罰則があります

休憩を与えずに労働させ行使することは違法です。
労働者に自由に休憩を与えない場合は、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金の対象となります。

たとえば忙しくて休憩が取れない場合は、その代わりの給与を支払う必要があります。
休憩が取れないのに休憩時間分の賃金を控除するなどは違法行為です。

ですが休憩時間は健康や安全を確保する上で必要な措置ですので、経営者は必ず休憩時間を考慮する必要があります。休憩時間なしで働かせるのは会社運営としてもリスクの高い行為です。
生産性を高めるためにも、休憩時間を活用しましょう。

休憩よりも早く帰りたい場合

たとえば昼の休憩時間が45分で、残業して労働時間が8時間になった場合、追加で15分の休憩が必須となります。
ですが、もし仮に社員が休憩はいいので早く帰りたいと考えて、休憩を取らずに働くこともあると思います。仮に社員がそれを希望したとしても15分の休憩は与えないと労働基準法違反となりペナルティの対象になります。

仮に所定労働時間が6時間で休憩がない場合でも、残業をして労働時間が6時間を超えた場合は45分の休憩を与える必要があります。

休憩にまつわる労使協定

上述の職種以外でも、労使協定を締結すれば、一斉に休憩を与えなくていいとされています。休憩を個別に与えたい場合は労使協定を結ぶ必要があります。

一斉に休憩を与えない社員の範囲と、休憩の与え方を明確にして文書にしておく必要があります。この締結は届出は不要ですので会社で保管しておきましょう。

待機時間の扱いは?

たとえば職種によっては待機時間が必要になるものもあります。
実際の作業は発生していないのですが、指示が出たら直ちに作業に取り掛かると言うような仕事の場合です。

この時間は休憩時間には当たりません。おまけに賃金の発生対象になります。
この待機時間は仕事に取り掛かるために待機しており、会社の監督下にあります。

そのため仕事の休憩時間のように自由に過ごすわけにはいきませんので、労働時間に参入されます。
利益を生み出さない待機時間に対して給与を支払うのは不合理なものですが、支払う義務があります。待機時間に他の仕事ができるような工夫が必要でしょう。

休憩時間の電話当番の扱いは?

休憩時間に電話がかかってくることを見越して、当番制で電話当番を行えば、その時間は労働時間に参入されます。

仕事から解放されているわけではありませんのですべて労働時間となります。

ただし、当番制にすることなく、電話対応の指示を与えていない状態で、社員が自主的に電話を取った場合は、労働時間とは該当しません。わずかな時間であり自由意志で行ったとみなされるからです。

自由の制限

たとえば休憩時間が自由だからといって、飲酒をしたりなどは制限できます。
また職場の秩序を乱す行為も禁止です。

また会議室の利用を禁止することも会社にとっては可能になるのです。
完全なプライベートとは違いますので、ある程度の制限が可能です。

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