給与計算ラボ

給与計算の方法、流れ

給与明細、賃金台帳、給与支払い時に必要な書類の記載事項とは

給与にまつわる書類と、支払時に必要な記載項目

従業員に給与を支払う場合、さまざまな関連書類が発生します。
代表的なものは給与明細です。

給与明細は、毎月発行する必要があり、従業員本人にとっても大切な書類です。
また賃金台帳は法律で作成が決まっている法定帳簿のひとつです。

そこにはどのような記載事項が必要でしょうか。

給与明細の記載事項

従業員のモチベーションにも関わる給与明細。
どのような記載事項が必要でしょうか。

まず基本給です。それから諸手当やそのほかの賃金を項目ごとにひとつずつ書く必要があります。
総額を書いたら、源泉徴収税額、社会保険料等の控除の金額、それらをすべて書き出します。
最後に口座振込した金額が必要です。

給与明細の項目はどこの会社でも一緒になります。

賃金台帳の記載事項

法定三帳簿である労働者名簿、賃金台帳、出勤簿。

これらは労働基準監督署がチェックする必要書類です。
三年間は保存しておくことが労働法令で義務付けられています。

賃金台帳には、氏名、性別、賃金の計算期間、労働日数、労働時間数、時間外労働の時間数、賃金の種類ごとの金額、控除の内容とその額など、詳細に記載する必要があります。
つまり支払った給与は毎月毎月、従業員ごとにしっかりと保管しておいて、いつでも労働基準監督署の要請があれば提出する必要があります。

基本給や諸手当は毎月変わりませんが、残業時間などは特に注意しましょう。
特に従業員の時間外労働は正確に把握しておきましょう。
万が一、サービス残業が続いた場合、退職した社員が自分でつけた出勤記録とともに労働裁判を起こしたら、勝てない場合があります。

サービス残業を行わせないことはもちろんですが、労働者の労働時間を正確に把握しておくことは非常に重要なことです。
こちらも各事業所ごとに記載する必要があります。

労働者名簿

労働者名簿もつねに作成しておく必要があります。
氏名、性別、生年月日、現住所、過去の経歴、雇い入れ年月日、退職日とその事由、30人以上の事業所の場合は従事する業務の種類など、正確に記載しておく必要があります。

港湾労働など、日雇い労働者に関しましては、労働者名簿は作成する必要はありません。
ですが賃金台帳は必要ですので、しっかりと日々記載しましょう。

書いてあることは履歴書の内容がほとんどですが、履歴書で代用することはできません。
かならず別途作っておく必要があります。

また、各事業所ごとに作成する必要があります。

出勤簿

出勤簿には書いておく項目は多いです。
事業年、月度出勤簿氏名、所属、日、曜日、始業時刻、労働時間、終業時刻、遅早欠勤、所定内、備考、時間外、合計、所定日数、出勤日数、欠勤日数、有給取得数、休日出勤日数、特別休暇日数、総務、所属長、遅早回数、本人署名と印鑑
などが必要です。

日々管理しておく必要があり、一ヶ月に一度まとめて集計する必要があります。
これも労働基準法で定められた法定三帳簿ですので、保存の義務があります。

三年間の保存義務

法定三帳簿は、三年間の保存義務があります。
社会保険関係、雇用保険関係もしっかり保管しておいてください。

入退社にともなう資格取得や喪失の手続きや、給付の際に必要になります。
また万が一、労働基準監督署の調査が入った場合に、しっかり保管していないと問題となります。
小規模の事業所であっても、法律にのっとった運営が必要です。

また、この法定三帳簿と雇用契約書と災害補償に関する書類には、整備義務と保管義務があります。
三年の保存義務は起算日より三年ということになっており、各帳簿によって起算日が異なります。

  • 労働者名簿は労働者の死亡・退職・解雇の日より3年
  • 賃金台帳は労働者の最後の賃金について記入した日より3年
  • 出勤簿は労働者の最後の出勤日より3年
  • 雇用契約書は労働者の死亡・退職・解雇の日より3年
  • 災害補償に関する書類は災害補償の終了日

また、雇用保険の被保険者の資格取得・喪失関係書類は退職後4年間社会保険の関係書類は2年間の保存義務があります。

給与明細は必ずしも紙でなくとも良い

給与明細は昔から紙で渡されていましたが、今では電子化されているところも多いです。
紙で渡すと従業員の数が増えるとその分だけコストが増大するからです。

またエコの観点からも電子化が望まれています。
とくに紙で配布するような規定もなく、電子でも構いません。
Web版でも大丈夫です。

給与明細にまつわる法律

実は給与明細は労働基準法の上では従業員に発行する義務はありません。
ですが、所得税法上、義務付けられているのです。

また健康保険法や厚生年金保険法などでも取り決めされています。
また、会社が給与明細を配っておらず、従業員がこれを求めた場合は、会社には給与明細をただちに発行する義務があります。 従業員は正社員だけでなく、契約社員、派遣やパートも含まれます。 また源泉徴収票も、所得税法で発行の義務があります。

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