税額表って何?という人にわかりやすく税額表の仕組みを教えます
税額表の種類と対象者による使用区分
税額表とは、正式には「給与所得の源泉徴収税額表」と呼ばれるもので、給与やボーナスから源泉所得を徴収する際、その税額を求めるために使用される表です。
この表を用いることによって、源泉徴収税額を簡単に求めることができます。
税額表には以下の3種類があり、労働条件によって使い分けることになります。
また、税額表にはそれぞれ甲欄と乙欄(日額表のみ丙欄も)があり、給与支払いの形態によって使用する項目が変わってきます。
(1)月額表(所得税法等負担軽減措置法別表第一)
給与を月給として支払っている場合に適用します。また、複数月単位で支払う場合(2か月に1度とか6か月に1度とかいったケース)もこちらを適用します。
- ・甲欄……「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人へ適用
- ・乙欄……「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していない人に適用
(2)日額表(所得税法等負担軽減措置法別表第二)
給与を日給や週給として支払う場合に適用します。日雇い契約の労働者の場合も日額表が適用されます。また、月給制の場合も、期間途中での就職や退職によって日割りでの給与計算が必要な場合にはこちらが使用されます。
- ・甲欄……「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人へ適用
- ・乙欄……「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していない人に適用
- ・丙欄……日雇い契約で給与が支払われる場合に適用
(3)賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(所得税法等負担軽減措置法別表第三)
ボーナスを支払う際に用いられます。
ただし、支給月の前月中に普通給与が支払われなかった場合や、ふだんの月給の10倍を超えるような額のボーナスである場合には、例外的に月額表を使用する必要があるので注意しましょう。
- ・甲欄……「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人に適用
- ・乙欄……「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していない人に適用
これらの税額表はいずれも国税庁によって発行されているもので、各税務署で入手することが可能です。
なお、2013年から2037年までの税額表には、復興特別所得税相当額も税額内に含まれています。
扶養親族等の人数によって変わる税額
納税額は、控除対象となる扶養親族等の人数によって変動します。
本来であれば、扶養控除については納税者自らが確定申告によって手続きをとらなければならないところですが、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を事前に会社へ提出させることで、労働者の負担を軽減しようという仕組みになっています。
ですから、会社側では納税者のかわりに扶養控除額も考慮して給与計算をしなければなりません。
そこで税額表が活躍するわけですが、上で示したとおり、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人に対しては共通項があります。いずれの税額表を用いる場合にも、甲欄が利用されるという点です。
税額表における扶養親族等の扱いはほかの税務上の書類とは少々異なっていますので、理解を深めるようにしておきましょう。
税務上の扶養親族等は以下のように分類されています。
控除対象配偶者
当年の12月31日時点で、以下の4つの要件をすべて満たす人を指します。
- (1) 民法の規定による配偶者である (内縁関係・事実婚の場合は除外)
- (2) 納税者と生計を共にしている
- (3) 年間の合計所得金額が、38万円以下
- (4) 1年間、青色申告、白色申告のいずれの事業専従者としても給与を得ていない
- (1) 民放の規定による配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族)あるいは、都道府県または市町村から公的に養育・養護を委託された里子・老人である
- (2) 納税者と生計を共にしている
- (3) 年間の合計所得金額が、38万円以下
- (4) 1年間、青色申告、白色申告のいずれの事業専従者としても給与を得ていない
老人控除対象配偶者
控除対象配偶者のうち、当年12月31日時点で満70歳以上の人が該当します。
扶養親族
当年の12月31日時点で、以下の4つの要件をすべて満たす人のことです。
老人扶養親族
扶養親族のうち、当年12月31日時点で70歳以上の人が該当します。
特定扶養親族
扶養親族のうち、当年12月31日現在で19歳以上23歳未満の人が該当します。
これらの扶養親族をすべて合計した人数が、「給与所得者の扶養控除等申告書」における扶養親族等の数となります。
ただし、納税者本人が障害者、寡婦、寡夫、勤労学生のいずれかに該当する場合は、扶養親族等の人数に1をプラスします。また、控除対象配偶者や扶養親族の中に障害者がいる場合にも1をプラスすることになります。
これらは重複可能ですので、たとえば「納税者本人が障害者であり寡婦でもある」という場合には、合計で2がプラスされます。