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飲食店の賞与(ボーナス)の平均支給額はいくら?業種別の支給率についても紹介!

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毎年、夏と冬になると気になるのがボーナスの金額。
会社員にとっては楽しみの一つですが、会社によってはボーナスの支給がなかったり、金額が極端に少ないところも多くあります。
飲食業界でよく耳にするのが、「賞与を出せなかった」という話。
実際に支給率は他の業界と比べてどうか気になったことはありませんか?
今回は、飲食店の賞与の平均支給額や業種別の支給率についてご紹介します。

賞与(ボーナス)とは

賞与(ボーナス)とは、会社の規定や業績に応じて支給される、金額が固定でない賃金のことです。
賞与の有無や支給要件に関する法律上の規定はなく、会社独自で支給時期や金額、支払い回数などを決定できます。
日本では一般的に、夏や冬に年1〜2回ボーナスの支払いが行われますが、海外の企業では業績がよければ支払われるケースも多く見られます。

賞与(ボーナス)の種類

賞与(ボーナス)には主に「基本給連動型賞与」、「業績連動型賞与」、「決算賞与」の3種類があります。
賞与の種類によって特徴が異なるため、確認しておきましょう。

■基本給連動型賞与

基本給(給料から残業代や諸手当を除いた金額)をベースとした賞与です。
一般的に「基本給 X 〇ヵ月分」で計算されます。

■業績連動型賞与

業務の成果に応じて賞与を決定する方法です。
個人の業務成績で計算する会社もあれば、組織単位や所属部署の業績で計算する会社もあります。

■決算賞与

会社の1年間の業績に応じて賞与を決定する方法です。
業績が好調であれば賞与を支給し、逆に業績が悪ければ賞与の支給がないケースもあります。

なお、一般的には、日本の会社の多くが基本給連動型賞与といわれています。

賞与(ボーナス)の平均支給額は?

全産業の平均支給額は約39万円

厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査-令和4年夏季賞与の結果」によると、令和4年の夏のボーナス(6月〜8月)の平均支給額は1人あたり「38万9331円」でした。
この金額は業種や企業規模に関係なく、賞与の支給がある企業全体の平均になります。

飲食業の平均支給額は約6万円

同様に厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査-令和4年夏季賞与の結果」よると、「飲食サービス業」の令和4年の夏のボーナス(6月〜8月)の平均支給額は1人あたり「6万793円」でした。
全産業の平均と比べるとかなり差があることが分かります。

業種別平均賞与(ボーナス)支給額

以下、業種別の平均支給額についてまとめました。
業種全体から見ても「飲食サービス業」は最下位とかなり支給額が低い結果となっています。

業種(産業) 労働者一人平均賞与額
鉱業・採石業等 595,716円
建設業 524,047円
製造業 527,118円
電気・ガス業 773,339円
情報通信業 687,247円
運輸業・郵便業 368,827円
卸売業・小売業 357,998円
金融業・保険業 644,728円
不動産・物品賃貸業 494,650円
学術研究等 659,687円
飲食サービス業等 63,793円
生活関連サービス業等 157,582円
教育・学習支援業 493,306円
医療・福祉 275,083円
複合サービス事業 428,876円
その他のサービス業 217,344円

参考:厚生労働省|毎月勤労統計調査-令和4年夏季賞与の結果

賞与(ボーナス)の平均支給率は?

前項まで賞与の支給がある企業の賞与(ボーナス)平均支給額について解説しましたが、次は企業全体の賞与(ボーナス)支給率について解説します。

全産業の平均支給率は約67%

全産業における夏のボーナス(令和4年6月〜8月)の平均支給率は「66.8%」でした。
令和元年と比べても大差はなく、近年は同じ数値を推移しています。

飲食業の平均支給率は約46%

一方「飲食サービス業」における夏のボーナス(令和4年6月〜8月)の平均支給率は「46.2%」でした。
支給額と同様、全産業平均と比べるとかなり差があることが分かります。

業種別平均賞与(ボーナス)支給率

やはり支給額同様、飲食サービス業の支給率は低く、唯一50%を切っています。

業種(産業) 支給事業所数割合
鉱業・採石業等 100%
建設業 66.5%
製造業 71.6%
電気・ガス業 90.7%
情報通信業 72.9%
運輸業・郵便業 69.8%
卸売業・小売業 67.2%
金融業・保険業 91.0%
不動産・物品賃貸業 78.5%
学術研究等 77.8%
飲食サービス業等 46.2%
生活関連サービス業等 50.3%
教育・学習支援業 75.5%
医療・福祉 69.7%
複合サービス事業 95.5%
その他のサービス業 71.8%

参考:厚生労働省|毎月勤労統計調査-令和4年夏季賞与の結果

なぜ飲食業の賞与(ボーナス)支給額は低いの?

規模が小さい事業所が多いから

飲食業は個人店や小規模で経営しているお店も多く、ボーナスといった概念自体が無い場合が多くあります。
大手のチェーン店など規模が大きく有名どころの会社は平均額で年2回の賞与が当たり前とされていますが、
1店舗だけの個人店や展開していても3~5店舗の中小零細企業は売上規模も四苦八苦している場合が多いため、ボーナス支給どころではないのです。
実際に飲食業に限らず、従業員の規模別に支給額の平均を見ると規模が小さければ小さいほど支給額が低くなっているのが分かります。

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参考:厚生労働省|毎月勤労統計調査-令和4年夏季賞与の結果

従業員の入れ替わりが激しいから

飲食業界は、店舗の営業時間外にも料理の仕込みや開店準備、閉店後の片付けや事務処理など、やるべき業務がたくさんあり、負担が大きくなって辞めてしまう人が多くいます。
また深夜営業や24時間営業を行う店舗もあり、土日や祝日も休めないため友達や家族の休暇とタイミングが合わせにくいという状況に不満を持つ方も多いのでしょう。

実際、厚生労働省のデータからも宿泊業・飲食サービス業の入職率・離職率が最も高い事が分かります。

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出典:厚生労働省|令和4年雇用動向調査の「産業別入職・離職」

このように従業員の入れ替わりが激しい業界のため、どうしても採用や人材育成に予算がかかり賞与が払えないという企業も多くあります。
また、すぐに辞めてしまう従業員に賞与を支給するよりも、かたちとして残る設備に資金を回そうと考える経営者もいます。

まとめ

飲食業の賞与の支給額は、約6万円、支給率も約46%と他業種と比べると低いことが分かりました。
その理由には様々な背景がありますが、日本全体を通しても人材不足が進んでおり、賞与を支給できていない飲食店は、あっさりと従業員に辞められてしまう可能性もあります。
逆に言えば賞与をしっかりと支給することで、他の飲食店と差をつけることができます。
多少コストがかかっても良い人材を確保できたり、従業員のモチベーションをアップすることで離職率を下げ、結果的に利益につながることも期待できるでしょう。

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