労働保険の申告から年末調整まで1年間の給与計算の流れ
給与計算には年間を通して決まった業務があります
給与計算事務を行うにあたって年間を通して決まった業務があります。
その流れに従って正確に業務を遂行する必要があります。
毎月行うことがありますので、しっかりと給与事務を行いましょう。
4月の給与事務
新入社員の社会保険加入の手続きを行います。
標準報酬月額の登録を行います。
入社にまつわる書類を準備します。
昇給や人事異動にまつわる準備を行います。
雇用保険料の変更、健康保険料・介護保険料の変更に対応します。
64歳の人から雇用保険天引きを停止します。
5月の給与事務
労働保険関係の年度更新への準備を行います。
6月の給与事務
住民税を天引きしている場合は、住民税の改定を行います。
前年の分を6月から5月に渡って均等額を給与から天引きします。
6月は端数調整で他の月と金額が異なる場合があります。
月ごとの住民税額を確実に把握しておく必要があります。
労働保険の年度更新事務もあります。
7月の給与事務
従業員の健康保険と厚生年金の基礎となる標準報酬月額を決定します。
7月1日時点で使用している全被保険者の4月〜6月の報酬月額を、算定基礎届により届出を行います。
期限は7月10日までです。
また賞与が支払われることもあります。
賞与も健康保険や厚生年金の同率の保険料を納付します。
支給日より5日以内に被保険者賞与支払届を届け出ます。
9月の給与事務
厚生年金の料率が変更されます。
新しい標準報酬月額で10月以降の給与計算を行います。
11月の給与事務
年末調整にまつわる書類を配布します。
12月の給与事務
所得税の年末調整を行います。
一年間の給与を合計して、各種控除の手続きを行い、年間の税金額を決定します。
従業員に還付したり、追加で徴収したりします。
源泉徴収票を従業員に配ります。
賞与がある場合もありますので、健康保険、厚生年金の手続きが必要です。
この場合も支給から5日以内に被保険者賞与支払届により届け出ます。
1月の給与事務
住民税の申告を行います。
給与支払報告書を市区町村に提出します。
源泉徴収票を3枚作成し、1枚を本人に渡します。
残りの2枚は給与支払報告書とともに市区町村に送付します。
これを元に市区町村では住民税を決定します。
またさらにもう1枚源泉徴収票を発行し、法定調書合計表に添付して税務署に提出します。
給与所得者の扶養控除等申告書を提出してもらいます。
扶養親族に変更がある場合は給与情報を変更します。
3月の給与事務
健康保険や介護保険などは、3月分から料率の変更があります。
4月支給の給与に備えます。
給与計算事務の繁忙期
給与計算事務は年間を通じて仕事がありますが、7月の算定基礎届と12月の年末調整が最も忙しく、その時期が繁忙期となります。
忙しいですがお金にかかわる仕事で、ひとつのミスが大きなトラブルにつながりますので、迅速かつ慎重に手続きを進めましょう。
1年間の流れを把握しましょう
給与計算事務は、仕事を先にやっておくことができません。
役所のスケジュールに合わせて動く必要があります。
ですのでどうしても繁忙期がでてきてしまうのです。
ですが一年間の仕事の流れを事前に把握しておくことで、迅速に対応できます。
給与計算事務は非常に大切な仕事です。
給与計算事務は、裏方の仕事ですが、非常に大切な仕事です。
給与計算をミスしたり、料率の改定を忘れていたりなどしたら、従業員の手取りにかかわりますので大きな問題です。
ミスや遅配があれば従業員からの信頼は下がり、モチベーションは低下します。
また給与計算をミスすると言う噂が立てば、他社からの信頼もなくなってしまうでしょう。
裏方業務ですが大変重要な業務です。信頼できる人物に仕事を依頼しましょう。
毎月の仕事をこなしながら、一年間の業務を遂行しましょう
給与計算事務は毎月やることがあります。
それをこなしながら一年間の業務も同時に遂行していかなければなりません。
新たに給与計算を担当することになったら
新たに給与計算を担当することになった人がいたら、繁忙期を迎える前にマニュアルを渡しましょう。
行政機関から入手できる資料等もありますし、それらの配布や回収する資料の整理なども行いましょう。
経理との協働
給与計算事務と近い職種に、経理事務があります。
小さい会社なら経理事務も同時並行で進める必要があります。
一人で担当するとなると、相当な負担になります。
ですがどちらも会社の根幹にかかわる重要な業務ですので、担当者をつけるならば優秀な人にお願いしましょう。
一番のピークは年末調整
やはり給与計算の一番のピークは年末調整でしょう。
これまで1年間の総括といってもいいと思います。
支給した給与を合計して、各種控除の書類を集めて再計算する必要があります。
また還付がある場合はそれを踏まえて給与計算をする必要があります。
現金で還付するケースはほとんどありませんが、給与計算が複雑になります。
また12月は冬のボーナスがある場合もありますので、仕事は多忙となります。